――農水省が新法視野
――担い手集積促進
農水省が、秋にまとめる農地政策改革の具体策をめぐって、耕作者が農地を所有するという農地制度の原則(耕作者主義)の見直しを視野に検討していることが分かった。農地転用や所有権移動などの規制は維持しながら、所有と利用を切り離し、担い手への農地集積で効率的な利用を促す仕組みをつくるのが狙いだ。農地法を廃止して、農業経営基盤強化促進法などと一本化する案も浮上している。ただ、見直しは一般の株式会社の農地所有解禁を求める経済界などの主張を勢いづかせることにもなりかねず、議論を呼びそうだ。
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「耕作者主義」は、耕作目的以外の農地の所有などを防ぐため、農地法の目的を示した同法第1条に定められている。
だが、農地を集積する手法としては、売買による所有権の移動より賃貸借が主流になり、さらに農家の高齢化などで耕作放棄が深刻化した。同省は担い手を支援するに当たり、農地の面的集積など「農地の有効利用」の方が農地制度の目的として重要になったと判断した。
同省はこれまで、賃貸借による農地の利用集積を促進する仕組みをつくるなど、耕作者の権利を保護する農地法と規模拡大政策との食い違いを、農業経営基盤強化促進法の制定・改正などで埋めてきた。
これが農地法に対する″抜け道″を作ることになり、法体系が複雑になった。そこで、農地制度の目的や法体系を整理するべきだとの考えが出てきた。大胆な農地改革を主張する経済界などにも、新法の制定は改革をアピールしやすい面がある。
一方で、耕作者主義は、農地の転用規制など所有者の財産権を制限する根拠になっている。このため同省は、耕作者主義を見直しても農地規制を維持できるかどうか、慎重に検討していく方針だ。
農地政策改革で同省はすでに、担い手に農地を面的に集積するための組織を市町村ことに設置することや、農業生産法人の要件を緩和することなどの改革方向を示している。現在は改革の詳しい内容や2008年度政府予算に盛り込む支援策などを検討中。
法律の扱いは、具体策を決めた後に最終判断をし、改革に必要な法案を来年の通常国会に提出する方針だ。
(2007年7月18日付 日本農業新聞1面記事)