人間の本来の豊かさは何か
――共同代表からのアピール(反対する会・会報第2号より)
井村弘子
(当会共同代表:残土・産廃問題ネットワークちば)
さて、市東さんの裁判を傍聴して驚きました。いったいこんな理屈が通るのだろうか。市東さんの畑はもう先祖から90年来耕しているところです。それが何よりの証拠ではないでしょうか。昔を知る人たちも確かにそうだと言っています。確証を国も県も認めないで、いや先祖の土地はあっちだと、言い続けています。こんなおかしいことがあるでしょうか。まさにこれは農家の農業つぶしです。
農業つぶし、片や有機の奨励
一方、この間、県が主催している有機農業の会に出席しました。そこで担当官が言っていることは、「今に、もし外国の食品が輸入しなくなったら、私たちの食料はたちまちあの戦時下の食料事情になるのですよ」でした。彼はそして朝、昼、晩の献立まで言っていました。朝はおかゆ、昼はサツマイモ、夜は・・・まったくおかしいではないですか。片一方で農家の農業をつぶし、片一方で「有機農業をやれ」と言う。あるところの有機米は「1俵4万円だ」と…これが県が言う言葉でしょうか。だから「有機の就農者よきたれ」と言うことだろうが、全くなってない話です。
市東さんのところだけではありません。昔から農業で続いている千葉県の集落をつぶして、そこに8m道路を作ると言うのです。村には3mか4mかわからないが、十分に働いている道路があるというのにです。どうしてそんな必要があるのでしょうか。そこの農民は、今にここも都会のように賑わうだろうと喜んでいるのです。でも車は走りさるだけです。何もその地に落としはしないのです。市東さんの農地は市東さんが先祖から賜ったものなのです。それをよそものが「お前はどけ、ここは飛行機様が通るのだ」ということでしょう。
飛行場より大切なもの
畑は一朝一夕でできるものではありません。90年もの汗の賜物です。市東さんの畑地のそばの航路はやめたらよい。撤回したらよい。畑をつぶすことなど、とんでもないことです。あそこの畑の野菜たちは10分ごとに頭上を通る爆音に震えあがっているでしょう。どこに行ったってあんなすばらしいふかふかの畑はないのです。市東さんがあの畑を大事にする気持ちが私にはよくわかります。
国や県のお役人はあまりにも上からのお達しばかりに従順で、人間の本来の豊かさは何かを忘れているのではないでしょうか。機械文明が今どんなに我々の生活をひっさらって行っているかをもう少し落ち着いて考えてみたらよいのです。飛行場を大きくして、果たして子供たちの未来が豊かになるでしょうか。
国も県も子供たちに幸せな未来を約束してほしい。
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